SNSで出会って1ヵ月弱の間に3600万円を騙し取られてしまった44歳女性


近年は出会い系よりもFacebook経由の国際ロマンス詐欺が多い

国際ロマンス詐欺

2024年5月2日、またもや国際ロマンス詐欺による多額の被害が発生したことが千葉県の船橋東警察署によって発表されました。被害に遭ったのは船橋市在住の44歳の日本人女性だそうです。

記事を読んでいるとSNSで「友達申請」が届いたとありました。フォローではなく友達申請ということはInstagramやXなどではなく、facebookである可能性が高いと言えます。

一般的には個人的な情報はInstagramやXよりも、Facebookの方が多く、ユーザーのプロフィール欄に表示されています。詐欺師たちもおそらくプロフィール欄に情報の多いfacebookの方がターゲットを絞りやすいのでしょう。

ちなみに僕ももちろんSNSのアカウントは複数持っているのですが、どう見ても怪しい友達申請やフォローがよく届きます。もちろんすべて無視していますが、このような詐欺師からの誘いに引っかかってしまう方いるからこそ、詐欺師もSNSを活用しているのでしょう。

そして皆さんもご存知のように、facebookが提案してくる「知り合いかも?」で実際に知り合いであることはまずありませんし、これは実は詐欺師に悪用されています。「知り合いかも?」と表示されたから友達申請しました、というふうにメッセージを送ってくる詐欺師が多いんです。

なお船橋市在住のこの女性は、2024年3月に外国人男性を名乗る相手から友達申請が届き、そこから僅か1ヵ月の間に恋愛感情を抱かされて、「二人の将来のために資産を増やそう」などと言われ、仮想通貨への投資を持ちかけられ、指定された口座に複数回、合計3600万円を振り込んでしまったのだそうです。

この女性が友人に投資しているという話をした際、その友人に詐欺だと指摘されて初めて騙されていると気付いたのだそうだそうです。詐欺の被害者は一般的には「オレオレ詐欺」など、高齢者が多いイメージです。しかし最近では30〜40代という比較的若い世代の方も国際ロマンス詐欺の被害に遭われているケースが増えています。

いわゆるコロナ前というのは、国際ロマンス詐欺も外国人との出会いの場を提供している出会い系サイトが主戦場でした。しかしコロナ禍により、他人とはなかなか会いにくい状況になってくると、徐々にSNSに詐欺師たちが流れ込んできたような印象があります。

つまりコロナ禍によって他人と会いにくくなるという状況は、出会い系サイトのユーザー数も減ることを意味します。しかしfacebookなどのSNSをコロナ禍でやめる人などおらず、逆にコロナ禍だからこそSNSの利用時間が増えた方も多いのではないでしょうか。

それにしても会ったこともない相手に、SNSで出会って僅か1ヵ月という短期間で3600万円も振り込んでしまうというのは、詐欺師は一体どのような口説き文句を使ったのでしょうか。

しかし改めてお伝えしておきます。SNSで出会ってまだ会ったこともないのに、短時間のうちに「愛してる」などの甘い言葉を言ってくる相手は間違いなく詐欺師です。

一部の日本人は外国人は「愛してる」などの表現をよく使うと勘違いされていますが、それは家族に限ります。家族に対してはもちろん「愛してる」という言葉を使いますが、まだ実際には会ったこともないような相手や、会ってはいるけどまだ付き合いが浅い相手に対して「愛してる」と言うことはありません。そしてもし言われたとしたら、外国人であってもそれはかなり引くはずです。

日本人の方はそこを少し勘違いされていることが多く、その勘違いにより外国人の「愛してる」という言葉を鵜呑みにしてしまうのかもしれません。そう考えるとSNS各社がユーザーへの啓発として、「外国人でも誰彼構わずに出会ってすぐ愛してると言うことはない」ということをアナウンスすべきなのかもしれませんね。

しかしFacebookの対応などをニュースで見ていると、facebook広告を使った詐欺に対する対応はかなり遅く、被害者側が強行姿勢を示さなければなかなか重い腰を上げないようです。

SNSの世界的リーディングカンパニーがそのような姿を見せているだけに、やはり自分たちの身は自分たちで守るしかないのかもしれません。そしてとにかく、会ったこともない相手に送金をすることだけは避けなければなりません。

一定額以上の送金の場合、銀行側も受取人側に連絡を入れるなどし所在を確認し、そこで問題のなかった受取人に対してのみ送金を実施する、くらいの対応が将来的には必要になってくるのかもしれませんね。

ルポルタージュ筆者:多村一馬
仕事で東京とロシアを行き来している頃、ロシア人の協力で国際ロマンス詐欺師を追い詰めた実話をルポルタージュ。 詐欺師を釣るために我々が準備したのは日本円で約100万円で、最終的には全額回収。
ロシア国内の協力者/ガブリエル:元FSB(旧KGB)職員の現ガードマン(Йошкар-Ола在住)、アルチョム:若き新聞記者(Яранск在住)

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